20200331
〈三〇代のはじめ、奈良の河瀬虎三郎さん(無窮亭)のところで古材を山ほどみせていただいて、感激したことがあります。たくさんわけてもいただきました。板を大事と思うようになったのはそのころかもしれません。(略)京の古材もつかいますが、奈良のものほど心打たれない。時代の差より、私は官寺と私寺の差を思います〉(川瀬敏郎「奈良古材」『工芸青花』5号「板と私」特集より)─
『工芸青花』5号
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika005.html
20200330
〈改装を思い立った頃に脚のとれた大きな時代春日卓に出会い購入していました。横長の卓で一畳程の床の間に据えればそのほとんどが埋まってしまうサイズです。"この卓を置く"との考えから生まれた広い床の間です。(略)唯一さまになるのが百萬塔くらいのもので、あとは興福寺の千体仏と云ったところでしょうが、残念ながらその千体仏がありません。/普段、卓には何も置きません〉(高木孝「長い床の間」『工芸青花』5号「板と私」特集より)─
『工芸青花』5号
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika005.html
20200326
【延期/中止のお知らせ】明日3月27日(金)より開催予定だった「yamahon的工芸」展(神楽坂一水寮)を延期することにしました。新型コロナウイルスの感染状況および昨夜の都知事の会見をうけ、監修の山本さんと相談しました。
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また、明晩開催予定だった山本さんの講座「工芸と私41」もいったん中止、日をあらためておこなうことにしました(お申込みいただいた方には個々に御連絡申上げます)。
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直前のお知らせになり、まことに申訳ありません。なにとぞ御理解くださいますよう、お願い申上げます。
20200324
3月27日(金)より「yamahon的工芸」展をおこないます(神楽坂一水寮。4月5日まで。3月27日は青花会員のみ)。https://www.kogei-seika.jp/gallery/20200301.html
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出品作の一部を紹介しています(写真は山本さんにお借りしています)。林友子、中山秀斗作品。
20200323
3月27日(金)より「yamahon的工芸」展をおこないます(神楽坂一水寮。4月5日まで。3月27日は青花会員のみ)。https://www.kogei-seika.jp/gallery/20200301.html
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出品作の一部を紹介しています(写真は山本さんにお借りしています)。津田清和、中野友昭作品。
20200322
3月27日(金)より「yamahon的工芸」展をおこないます(神楽坂一水寮。4月5日まで。3月27日は青花会員のみ)。https://www.kogei-seika.jp/gallery/20200301.html
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27日夜はトークもあります。
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■山本忠臣|生活工芸と私
□3月27日(金)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=327
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以下は山本さんから。
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〈2月22日、The Japan Foundation, Sydney が開催する「生活工芸」展のオープニングに、木工家の三谷龍二さんと行って来ました。初日のトークイベントには150人ほどの聴衆が集まり、日本の工芸に対する関心の高さを肌で感じましたが、異なる文化圏で「生活工芸」を理解してもらうには、やはり言葉の補足も必要です。
・
今回は「生活工芸」の英訳を「OBJECTS FOR INTENTIONAL LIVINGS」としました。「意図的な(丁寧な、簡素な)暮らしの物たち」というニュアンスです。Intentional livingとは「個人もしくは集団が、その価値観、その信念に従って生きようとするライフスタイル」とのことでしたが、それを聞いて私の脳裏に思い浮かんだのは、シェーカー教団の生活でした。
・
キリスト教の一派であるシェーカー教徒は、コミュニティを形成し、厳格な規律と自給自足の質素な生活を営みました。その中で生まれた美しい生活道具は、その後、世界のデザインに大きな影響を与えました。日本でも、シェーカー家具や、オーバルボックスの名で知る人も多いのではないでしょうか。
・
シェーカーと同様、「生活工芸」もまた、生活(Intentional living)と物(Objects)の関係性によるものと考えています。日本で受け継がれて来た工芸や生活の在り方から生まれた「生活工芸」は、これからどのように形を変え、広がるのでしょうか。皆さんと一緒に語り合いたいと思います〉
─
出品作を紹介しています(写真は山本さんにお借りしています)。金森正起、辻村唯作品。
20200320
3月27日(金)より「yamahon的工芸」展をおこないます(神楽坂一水寮。4月5日まで。3月27日は青花会員のみ)。以下は監修者、山本忠臣さんの文です。https://www.kogei-seika.jp/gallery/20200301.html
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〈2000年に「ギャラリーやまほん」をオープンし、今年で20年という節目を迎えました。これまでお付き合い頂いた多くの作家やスタッフ、そして何よりお客様のおかげで今日があるのは言うまでもなく、この場をお借りして厚くお礼を申し上げたいと思います。
・
思い返すと本当にあっという間の20年でしたが、十年一昔と言われる通り、私がギャラリーを始めた頃とは、工芸を取り巻く状況も随分と変わりました。地方にも器を扱う店やギャラリーが増え、また工芸家の活動の場も、海外で展覧会を開くことがすでに特別ではない時代となりました。SNSなどを通じて工芸が世界に広がる昨今、私のギャラリーにも海外からのお客様が器を求めてお越しになります。時折、海外誌からの取材依頼もお受けしますが、その時に必ずと言っていいほど尋ねられることがあります。「どういう基準で作家や器を選んでいるか」という質問です。生活工芸から茶道具、平面作品やブロンズ作品もあり、また湯呑にしても2000円から20000円という金額も含め、文字通り多種多様な店なので、そのストレートな質問には戸惑ってしまいます。
・
埏埴以為器。当其無、有器之用。鑿戸牖以為室。当其無、有室之用。故有之以為利、無之以為用。(粘土をこねて器を作る。そこ[器の中]に何もない空間[空]があるから、器としての役割を果たす。戸や窓を貫いて部屋を作る。そこ[部屋の中]に何もない空間があるから、部屋としての役割を果たす。つまり形ある物に価値があるのは、形のないものがその役割を果たしているからである)
・
老子が「有」に対する「無」の根源的な働きを説いた章ですが、「有」をささえるものは「無」であることを示唆しています。形あるものだけに人は目をうばわれがちですが、何もないということは何かの役に立っていないようにみえても実はそうではなく、形あるものにその役割を与え、性格づけ、存在の価値づけをしていると言えます。
・
一つの器が持つ「無」は、空気感とも言い換えられると思いますが、私はこの空気感との静かな対話によって、作り手が素材から得た感覚、素材と向き合って生まれた形、作り手の姿勢や器物に対する思考に思いを巡らせます。もちろん自分が持ち合わせていない価値観と出会った時はすぐには判断できず、器を眺めては時間をかけて触れていくことになります。
・
そうしたことを繰り返し、20年の歳月が過ぎましたが、やはり言葉による蘊蓄には関心がなく、「無」(空気感)を感じること、器の声を聞くことでその本質を知ることが出来るように思います。器物に美を見出して来た日本工芸の歴史は、時代の空気と共に変化し、今もなお脈々と受け継がれています。取るに足らない雑器に人や自然の気配を感じ、そして自己を見つめる。器を通して私はそうした世界観を伝えたいと願うのです〉(山本忠臣「無の効用」)
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27日夜はトークもあります。
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■山本忠臣|生活工芸と私
□3月27日(金)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=327
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出品作を紹介しています(写真は山本さんにお借りしています)。安藤雅信作。
20200319
来週金曜(27日)から「yamahon的工芸」展です(神楽坂一水寮。4月5日まで。3月27日は青花会員のみ)。以下は展観リードです。やまほん20周年、おめでとう。https://www.kogei-seika.jp/gallery/20200301.html
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〈伊賀の「gallery yamahon」と「京都やまほん」の代表であり、建築家でもある山本忠臣さん監修の工芸展です。gallery yamahon(2000年開廊)がいわゆる「生活工芸」ギャラリーの代表と目されるのは、あつかう作家や作品の質だけでなく、その立地、空間、展示、カフェのありかたなどもふくめた総合性によります。いいかえれば、「生活工芸」は作家や作品に限定して語りうるものではなく、yamahonのような (じつは)かぎられた「場」でおきていたことなのだろうと思います。今回の展示も山本さんにおまかせしています。下記の文章にもありますが、この20年、すなわち「生活工芸の時代」のあとさきを知る展観になるはずです〉
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27日夜はトークもあります。
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■山本忠臣|生活工芸と私
□3月27日(金)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=327
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出品作を紹介してゆきます(写真は山本さんにお借りしています)。まず浅井庸佑さんから。
20200318
前橋重二さんは博覧強記のライター。打合せはいつも受講のようになり、それがとてもありがたい。以下も神経科学、進化心理学による「美」の新研究を紹介してくれました。工芸の美を語るときも前提にしたい内容。─
『工芸青花』13号
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika013.html
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3|民藝と美
The Beauty in Mingei
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〈さらに重要なのは、美の情報を処理する脳内回路が報酬系にかかわっていることだ。感覚器からはいってきた情報を処理していくプロセスでドーパミンなどの神経伝達物質がシナプス間隙に放出され、その化学的な変化によって、わたしたちは「快感」を味わう。美とは歓びであり、脳活動がもたらしてくれるその歓びこそが、インテリジェンスの本質ではなかろうか〉(前橋重二「脳にとって美とはなにか」)
─
写真は『工芸青花』13号より、2019年の「直観」展会場(日本民藝館)。
20200317
とどいた『陶説』3月号をみていたら、「陶説点滴」欄(編集委員の短信欄)で先日の工芸祭が言及されていました。〈来場者の多くは若者で(略)肩がぶつかるほどの活気に、今後の工芸の可能性を垣間見た思いだ〉(唐澤昌宏さん)。長年読んでいる雑誌なのでうれしい。─
『工芸青花』13号
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika013.html
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2|川瀬敏郎の花 杉本家住宅
Flowers by Toshiro Kawase at Sugimoto Residence in Kyoto
─
〈そんな父の日々の楽しみのひとつが裏庭にあった。裏庭には、油粕に水を加えて発酵させておく肥やしの甕があって、父は原稿執筆の手を休める気晴らしに裏庭へ出ると、ときおり甕に柄杓を差し入れて濃い液を汲み出し、それを水で薄めた肥水を裏庭にまいている姿をみせたものだった〉(杉本歌子「花に偲ぶ文人─父・杉本秀太郎」)
─
写真は『工芸青花』13号より、杉本家でいけた川瀬さんの花。
20200316
先週は今年の骨董祭(6月5−7日)の冊子用に、内海徹さんと室田宏一さんの対談もおこないました(於スワロウデイルアンティークス/豪徳寺)。欧州へ仕入の旅をつづけるふたり。骨董という、経済主義とはことなる主義の話がきけてよかった。─
『工芸青花』13号
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika013.html
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1|スイスのロマネスク ミュスタイアのザンクト・ヨハン修道院
Romanesque Art in Switzerland, Kloster St. Johann in Müstair
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〈いま附属の博物館となっている、がっしりした建物(プランタの塔)は、かつては僧坊で、修道女たちが暮した部屋の様子もみることができます。150年ほどまえに彼女たちが手づくりした、幼児キリストや聖母子の人形(布細工や蠟細工)がたくさん展示されていました。とても手がこんでいて、さみしいくらいにきらきらしています〉(金沢百枝「尼僧院の椅子」)
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写真は『工芸青花』13号より、スイスの女子修道院の納屋。
20200315
新シリーズです。─
■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ54|旧約篇1|創世記1|天地創造
□3月24日(火)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=325
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以下は金沢さんから。〈青花の会のはじまりと同時に、講座「キリスト教美術をたのしむ」をはじめて、もう5年。旧約聖書、キリスト伝、マリア伝、聖人伝をひととおり終えましたが、ふりかえると、旧約聖書でもっとも大事な「創世記」を、かなりの駆け足でとおりすぎてしまったように思います。そこでもう一度、あらたな視点で「創世記」にとりくみたいと思いました。初回は「創世記」の第1章。テーマは「天地創造と宇宙観」。『ギルガメシュ叙事詩』など古代オリエントの創造譚、ギリシア・ローマの創造譚、ユダヤ写本も参照しつつ、ヨーロッパの天地創造の物語にせまります〉
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以下も引続き募集しています(こちらはシリーズ最終回)。
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■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話45|英雄の死:タナトスとヒュプノス
□3月19日(木)18時半@自由学園明日館(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=323
20200314
昨日は半日、museum as it is にいました(千葉県長南町)。3月29日まで「内なる力─日置路花書作品とas it is所蔵品」展がひらかれています(金土日開館)。http://asitis.sakatakazumi.com/
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museum as it is は古道具坂田の坂田和實さんの個人美術館です。日置路花さんについては、以下に坂田さんの文を掲載しています。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20180902.html
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ゆきかえり、倒木や崩れなど、昨秋の台風の痕跡をいくつも眼にしました。as it is も道が断たれ、臨時休館したそうです。その日、歩いて山をおりたTさんが、ずっとこの場所をまもっています。昨日も、いつもどおりの別天地でした。
20200310
高木崇雄さんのブログ「工芸入門」更新しました。今回は能管(笛)を稽古する話。〈ある日、ゆっくり話をする時間があったので、その理由を伺うと、まあ、稽古はですな、私が伝えられたことを伝えるのが役目なんですが、私と同じ笛を吹かなあかん、という呪いとは違いますからな、と言われ、あ、この人、自分を表現者ではなく、媒介者として捉えてるんだな、と納得しました〉。ここから、「美」でも「用」でもない「倫」の話にいたります。https://www.kogei-seika.jp/blog/takaki/038.html
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昨日は静岡で望月通陽作品の取材でした。型染の魅力は平面性ではなく、型染がひらく時空があることを実感しました。
20200309
今日は終日、駒場の日本民藝館で撮影でした。休館日でしたが、明日から「祈りの造形─沖縄の厨子甕を中心に」展が再開します(3月22日まで)。新収蔵品がほとんどの厨子甕34基はみごたえがあります。担当は月森俊文さん。http://www.mingeikan.or.jp/events/special/202001.html
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〈日本民藝館の古作を見つめると、美は選ばれた才ある者が作り出すもの、という常識が通用しないことに気づきます。姿形や色彩などのバリエーションは豊富ですが、作為は希薄で、個人の影は見られません。なにか自然の造形物に近い感じすら覚えます〉(月森俊文「柳宗悦の『直観』」『工芸青花』13号)
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika013.html
20200307
昨日今日、松本でした。ギャラリー10㎝で三谷龍二さん監修「工芸批評」展がひらかれています(15日まで。11日休)。銀座、福岡につづく巡回展。昨夜はトークでした。「仮想-産地」工芸としての生活工芸、という高木崇雄さんの指摘になるほどと思いました。http://www.mitaniryuji.com/wb_schedule.html
20200305
催事のお知らせです。─
■講座|工芸と私41|山本忠臣|生活工芸と私
□3月27日(金)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=327
*「yamahon的工芸」展(下記)関連企画です
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■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ55|旧約篇2|創世記2|人間の創造
□4月23日(木)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=329
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以下も引続き開催、募集しています。
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■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話45|英雄の死:タナトスとヒュプノス
□3月19日(木)18時半@自由学園明日館(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=323
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■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ54|旧約篇1|創世記1|天地創造
□3月24日(火)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=325
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■展覧会|yamahon的工芸
□3月27日−4月5日@工芸青花(神楽坂)
*3月27日は青花会員と御同伴者1名のみ
□監修|山本忠臣(gallery yamahon)
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20200301.html
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松本で「工芸批評」展がひらかれます。
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■展覧会|工芸批評
□3月6日−15日@10cm(松本) *11日休
http://www.mitaniryuji.com/wb_schedule.html
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広島で書籍『工芸批評』にかんするイベントがあります。
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■トーク|生活工芸と雑誌メディア|阿部純+井出幸亮+菅野康晴+nakaban
□4月12日(日)16時@A not B(広島)
□主催|READAN DEAT
http://readan-deat.com/blog/2020/02/28/kogeitozasshi/
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書籍『工芸批評』は青花のウェブサイトでも販売しています。
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-hihyou.html
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写真は伊賀のgallery yamahonです。
20200304
シリーズ最終回です。─
■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話45|英雄の死:タナトスとヒュプノス
□3月19日(木)18時半@自由学園明日館(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=323
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以下は河島さんから。
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古代ギリシア・ローマの神話は、2000年以上経た今に伝えられています。それは、神話という物語が私たちを魅了しつづけてきた証です。古代の人々にとっても、その物語はおとぎ話以上の意味を持っていました。神話はある種の真実を語る物語だったのです。
─
この講座では、古代の文学作品や図像を通じて、ギリシア・ローマの神話を知り、その意味を考えていきます。また神話は文化の根底を支えるものでした。そのため、神話を取り巻く古代ギリシア・ローマの文化や社会にも触れることになります。
─
古代のギリシアやローマは、地理的にも時間的にも私たちから遠く隔てられています。しかし神話が真実を語るものであるならば、その物語は私たちに何らかの「知」を伝えてくれることでしょう。神話との対話は、私たちを古代へといざなうとともに、そのまなざしは私たち自身へも向けられるのです。
─
ギリシア・ローマ神話では、英雄たちが活躍します。力強く、後世に記憶される英雄たち。しかし、死すべき存在としてやはり終わりを迎えます。今回は英雄たちの死に焦点をあてることで、神話に描かれる「人間」について考えます。
20200303
新刊『工芸青花』13号よりKogei Seika vol.13
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika013.html
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3|民藝と美
The Beauty in Mingei
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The exhibition ‘Direct Perception by Soetsu Yanagi’ was held at The Japan Folk Crafts Museum in Tokyo, from January to March, 2019. Two hundred and eighty one objects from the Collection, ancient and modern, were from various part of the World. There were objects other than the collections of Soetsu and Sori (the founder of the Museum and his son). The objects were selected by the curator, Toshifumi Tsukimori. Most of them were the masterpiece of the Museum, but some were those which has never been on the show, despite their quality, such as a manger exhibited in the hall of the new building.
・
The way he displayed was also splendid. The unique masterpiece was side by side by things of different origins. He arranged the objects not in timeline, nor by medium types but arranged in accordance with their colour, form and the texture.
・
The most amazing thing in the exhibition was that there were no captions. No data for objects was provided for the visitors, neither before, nor after the exhibition. I have written the impression of the exhibition on the website of Seika, as follows.
・
‘The exhibition without any title or legend is much discussed. My friend talked about it favourably and I heard that it is also popular to the visitors. I admire the courage of Tsukimori who planned and realized the exhibition on his own, prepared for critisim and bashing. ‘Caption detox’ feels more refereshing than I had expected. Even though captions in The Japan Folk Crafts Museum are always moderate, I came to know that the afterimage of letters are amazingly strong.’
・
Tshukimori writes, ‘The coined word Mingei (…) has been and is being misunderstood. One of the biggest misunderstanding is that it is the craft (工藝) for the common people (民), the notion to define all the everyday ware in popular use to be Mingei. In such notion, the essential point that Mingei should be beautiful is missing. (…) Yanagi repeatedly writes that to verify the beauty, by all means, the direct perception is necessary.’ ‘The disturbance of the direct perception is the knowledge (preconception) /language (concept). You can have those after you see them, also says Yanagi. (S)
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■Each chapter is accompanied by an English summary and all photographs are with captions in English
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20200302
新刊『工芸青花』13号よりKogei Seika vol.13
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3|民藝と美
The Beauty in Mingei
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二〇一九年の一月から三月にかけて、東京の日本民藝館でひらかれた「柳宗悦の『直観』─美を見いだす力」展には、日本、東洋、欧米、南米、アフリカもの、紀元前から二〇世紀のものまで、館蔵品二八一作がならびました。宗悦、宗理親子以外の収集品もありました。えらんだのは同展担当の月森俊文さんです。名品展と称してもよいような内容でありつつ、これまで展示されたことのないような、それでいてみどころあるもの(たとえば新館広間の飼葉桶など)もでていました。
・
展示もみごとでした。名品ぞろいということは、個性派ぞろいということです。それを時代順でも分野別でもなく、色、かたち、質感等のとりあわせでみせていました。
・
そして、なによりおどろいたのは、個々の作についての文字情報が(事前も事後も)いっさいなかったことです。〈品名も解説もいっさいなし(最後までない)の展示が話題ですが、私のまわりでも、来場者にも好評とのこと。批判、罵倒も覚悟のうえでひとりで企画、実現した民藝館の月森さんの心意気に感じいる。「解説デトックス」が思いのほかとてもすがすがしい(民藝館のキャプションはふだんからひかえめですが、それでも、文字の残像のつよさを思い知る)〉(初見時に記した青花のブログより)
・
月森さんは書きます。〈造語された民藝という言葉は(略)多くの誤解を受け、そして現在も受けつづけていると思います。大きな誤解のひとつは民衆的工藝、つまり民衆が使っていた日用品はおしなべて民藝だと断定されてしまうことでしょう。そこには「美しいもの」であるという、最も大切な特質が抜け落ちているのです。(略)ではどのようにすればものの美しさを見届けられるかといえば、それにはどうしても直観が必要であると、柳は繰り返し説きます〉。柳は、直観をさまたげるものは知識(先入観)/言葉(概念)だといいます。それはあとでいい、と。S
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20200301
新刊『工芸青花』13号よりKogei Seika vol.13
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2|川瀬敏郎の花 杉本家住宅
Flowers by Toshiro Kawase at Sugimoto Residence in Kyoto
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In this issue of the series on Ikebana by Toshiro Kawase (1948-), he arranged flowers in the Sugimoto Residence in Kyoto (1870), a nationally important cultural property. The following is the description of the residence from its official website.
・
‘The Sugimoto family established an independent kimono fabric sales company at Karasuma Shijo sagaru, taking the name of “NARAYA” in 1743. Later, in 1764, they moved to the present location. They prospered in Kyoto and eventually opened branches in Kanto distributing Kyoto kimono fabrics.’ ‘The present main house is a rebuilding of one destroyed in a Genji period (1864) conflagration. An inscription above the front door dates the raising of the timber framework to April 23, 1870.’ ‘The main building is in the Omoteya-Zukuri style. Thus, the front store building, facing the main street, is connected to the rear living space by a secondary, interior, private entrance hall. The front exterior of the house has Kyoto-style latticework (Kyo-goshi), including a bay window shielded by wooden slats (Degoshi), large wooden door (Odo) and a Dog fence (Inuyarai). The fine plaster latticed townhouse window (Tsuchinuiri no Mushikomado) provides ventilation to a small floor storehouses (Zushinikai). All of these features are typical of traditional Kyoto merchant houses (Kyo-machiya).’
・
The Ikebana in Chinese baskets by Kawase in issue no.10 of Kogei Seika was also arranged in the Sugimoto Residence. After the issue, he performed Ikebana event in June, 2019. The following passage is his remark on the occasion.
・
‘While the Festival of Gion, the space of the shop is used as Okazaridokoro, where the sacred ornaments are exhibited for the ‘Hakugayama’ float used during the Gion Festival in July. As a child, when I went further into the residence, the place was in total silence, so far away from the tumult of the festival. In the drawing room (Zashiki), quiet like the sanctuary of Shrine, I saw that the room was decorated in the most sophisticated manner for the festival as thought it is ordinary. I felt I saw another world of purity. Even though I was a child, I realized that the house was special.’
・
Hidetaro Sugimoto (1931-2015), a scholar of French Literature, was from the Sugimoto Family and born and lived in this house. His literary achievement, which compiled Japanese, Chinese, and Western culture, must have been inherited from the literary tradition of Edo period, which seeked the freedom of the mind. The flowers of Kawase in the Residence showed respect to such free spirit. (S)
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■Each chapter is accompanied by an English summary and all photographs are with captions in English
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