会期|9月27・28・29・30日(木金土日)
10月4・5・6・7日(木金土日)
10月11・12・13・14日(木金土日)
*9月27日は青花会員と御同伴者のみ
時間|13-19時
会場|工芸青花
東京都新宿区横寺町31-13 一水寮101(神楽坂)
25年前に初めて書を買った。路花さんの書だった。それまで書を見てこなかったわけではない。しかし買うことは無かった。これ見よがしの技巧を誇り、表具に凝り、意味がなさそうな肩書を作品に付ける、いつまでたっても変りそうもないこの業界の保守的な眼に幻滅し、足はおのずと遠のいていた。
文字は意味を内包し、思いを伝え、残す。書の作品とは、用途を持ち、自由に加工するには不便とも思える文字を、心の内側にとらえ、咀嚼し、これに、これまで積み重ね、又、捨てさってきた技量や経験をぶつけ、自らの裸を曝し生み出すものだ。書きに書き続け、自分を捨て、練り、絞り、表現する過酷な世界、単なるテクニックなんてものは通用しない。そして、ここまでくると、その書は型や枠から抜け切って自由を獲得し、無我の世界と繋がる。幼児の書や酒場の落書き、市場の値段札、拙とか只とか素といわれている世界と重なっている。
路花さんの書はこの世界に限りなく近い。