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20180628
今日から「骨董の起源」展です(神楽坂一水寮/木金土日13-19時/7月15日まで)。監修者の松本さん(うつわノート)、出品の岩橋さん(拙庵)、牛抱さん(titcoRet)いらしています。明日19時から3人の鼎談もおこないます。http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180601.html
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20180622
昨年の「能楽入門」講座では、受講者の幾人かに能の面と装束をつけて舞台にあがっていただきました。そのときにおそらく会場のだれもが実感したのは、強烈な違和でした。ふつうに歩いて、ふつうに手をふったりおじぎをしたりしただけなのに。その自然な行為が、とてつもなく不自然にみえる能舞台とは、能とはなんなのでしょう。......
〈古典という時の流れに左右されない普遍の力に対して、無意識になりかけている我々現代人の感性を呼び覚まし、またこれから訪れる時代性にも挑戦する〉(友枝雄人)。ここでも不易と流行という(工芸的)主題が語られています。不易/普遍もまたかつて創造されたものであり、自然ではありません。
......
7月3日(火)夜、シテ方喜多流の能楽師・友枝雄人さんと、花人/古美術商の桐谷美香さんの対談「能と私」をおこないます(於目白・自由学園明日館)。桐谷さんは9月に上演される友枝さんの舞台(枕慈童)の美術を手がけています。古典、古美術を現代に招喚する人という印象がある桐谷さんの能楽論もたのしみです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=235
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20180621
打合せで奈良へ。東大寺本坊では白洲信哉さん監修「古美術から見る東大寺の美」展が開催中(28日まで)。日の丸盆と二月堂焼経他。表具でずいぶんかわるものとあらためて。南大門はいつもみとれます。http://www.todaiji.or.jp/antiqueart/
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20180619
来週28日(木)から「骨董の起源」展です(於神楽坂一水寮/7月15日まで/木金土日/13−19時)。監修は現代工芸のギャラリー「うつわノート」の松本武明さん。意外にも、現代のうつわではなく、古いものをあつかうふたり展になりました。岩橋直哉さん(拙庵)と牛抱幾久真さん(titcoRet)です。……
〈お二人の選ぶモノは、一般的な骨董には当てはまりづらく、その多くが呪術、魔性、土俗など、無名の古人による祈りや畏れを形にした造形物で、未だ定義されない領域にあります。しかしこれらには過去の骨董価値を追認するのとは違った独自の視点があります〉(松本)
……
〈蚤の市では古今東西真贋美醜巧拙聖俗善悪高低いずれも関係なく、ただそれぞれがむきだしのモノそのものとして並べられています〉〈蒐集とはむきだしのモノそのもの、未だ名づけえぬ世界の断片を拾い集め、新たな世界を創造する作業なのです〉(岩橋)
……
〈その戦慄は、専門の仏師による、スポンサーにおもねり、儀軌に縛られ、古今の名作を参照した上に完成した作品よりも、不完全な知識と道具と技術でもって不器用にかたち作られたモノ、民衆仏と呼ばれるものの方に強く感じます。そこで重視されるのは美学的なバランスや外見的な見栄えの良さではなく生み出されずにはおかなかった強い衝動だからです。その強い衝動とは自らをとりまく巨大で不可解な世界に対する人々のもがき、葛藤、哀訴です〉(同)
……
物にせよなんにせよ、人は〈むきだし〉にはたえられないのではないか、だからこそ収集し、それらを意味でくるむのではないでしょうか。岩橋さんのふたつめの引用は「民藝」に似ていますが、決定的な差は「美」の無視です。
……
6月29日(木)夜には松本さん、岩橋さん、牛抱さんの鼎談もおこないます。参加者募集中です。
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180601.html
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20180617
高木崇雄さんのブログ「工芸入門」更新しました。今回は「『ローカル』という記号」。アートとローカルを語り、いつもどおりに真率、明快です。http://kogei-seika.jp/blog/takaki/017.html
……
〈ちょうど僕も同じ時期に、香港やアムステルダム、パリ、ロンドンといった街に複数回行く機会がありましたが、どの国、地域でも、やはり骨董屋の息子世代がコンテンポラリーアートを扱うギャラリーに店を変えたり、以前の店の隣にギャラリーを構えていたりと、従来の骨董屋通りの雰囲気が一変していました〉
〈投資としてアートを扱う「投資家 Investor」、一方でカネの象徴性をアートの象徴性と混同してしまった「愛好家 Art Lover」が増えた、と。けれど、この両者は、他人の欲望を自分の欲望と勘違いしている、という点において、全く同じ根を持っています〉
〈スピヴァクは「グローバリゼーション」について「世界中に同じ交換システムを作り出して資本の移動を容易にすること」と定義し、その強さと分かち難い弱みとは、不均衡な世界に対して「いずれは均一になる」という嘘をつかなければならないこと、それが故に「(地域固有の)言語」に縛られた「文化的下部構造」に対して限定的な関与しか為しえないこと、と述べています〉
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20180616
アーツ千代田で大森博さんの写真展。震災後避難した福島の子どもたちのために建てられた福島県立ふたば未来学園3年間の記録。1期生の入学式から今春の卒業式まで、ほぼ毎月東京からかよって写された、生徒と先生の表情、行事、四季。素通りできない写真ばかり。「演劇のよさは役割分担があるところ。全員が大きな声をださなくていい。おとなしい子はおとなしい役が上手なんです」。演劇部を指導した平田オリザさんの言葉。明日17日までです(12-19時)。
20180614
今日からふたたび常設展です(17日まで。13−19時@神楽坂一水寮)。「骨董と私」展の出品作も一部ですが展示しています。http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180501.html
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20180613
「青花の会|骨董祭2018」の3日間が終りました。何十年、何百年、何千年まえの世界中のもの、それぞれにものがたりのある数千点があつまり、千人以上の人もあつまり、あらたに無数の縁が生じて、また散じています。いらしてくださった方々、まとめ役の大塚美術さんはじめ出展者のみなさんに心よりお礼申上げます。
20180610
「青花の会|骨董祭2018」、今日日曜が最終日です(17時まで)。各出展者(36組)の2日目推奨品(写真)は今日から展示販売します。最初の写真は会場1(ラカグ)の花元さん。行先の決った国東五輪塔とともに。http://www.kogei-seika.jp/seikafes/2018.html
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20180609
「青花の会|骨董祭2018」開催中です(神楽坂)。晴れました。会場6の工芸青花(一水寮)は「骨董と私」展。2階は刺繍作家三原佳子さんのアトリエなのですが、今日は公開されています。あまりない機会ですので、よろしければ青花とともにぜひ。……
骨董祭の会場は6ヶ所、写真は各会場の花々。以下は昨夜の内覧会にいらした会員の方のツイートから。〈最近身の回りがざわざわしていることもあって、心を静めるいい機会でした。美しいものは偉大なり。明恵上人の夢の記が気になってじっと見つめてしまった〉。ありがとうございます。
……
会場2のアユミギャラリーの前庭に、今年は中目黒の「cafe REDBOOK」さんに出店していただきました。カリープレート、チャイ、ラッシー、パウンドケーキ。おすすめです。
……
骨董祭は明日10日(日)17時まで(今日は19時まで)。お待ちしております。
http://www.kogei-seika.jp/seikafes/2018.html
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20180607
今日は目白の坂田さんをたずねたあと、社にもどると骨董祭の冊子が刷りあがっていました(Mさん、Uさんおつかれさまでした)。8日からはじまる骨董祭の入場者全員におくばりするものです。……
昨年は甍堂の青井さんにお願いした骨董夜話的なインタビュウ、今年は祥雲の桐谷美香さんのお話をうかがいました。開店のころ、縄文のこと、現代作家の展観、研究者とのこと、アメリカでの仕事のことなど、表現者でもあり、多才の人である桐谷さんが切りひらいてきたこと、そこに一貫してある考えかたにふれることができます。出展者のおひとりでもあります。
……
冊子には各会場の場所(地図)や会場内の配置図などのほか、出展者のみなさん(今年は36組)を紹介する欄があります。そこに、「骨董とは?」という問いにたいする短文もよせていただいています。気楽に訊くなよといわれてもしかたない質問でしたが(すみません)、みなさんの言葉は、プロフェッショナルならではの端的で重みあるもので、さきほどからくりかえし読んでいます。たとえば……〈三度の飯より大事で、でも妻よりは下にくるもの〉〈認識を新たにしてくれる美との出会い〉〈心の内に在る資質が呼び覚まされる、感覚と探求の拡がり〉〈ガラス越しの鑑賞とは違い、それらを自身の生活や人生に関わらせること〉〈でも辛い事もあるんです〉〈制御不能な友〉〈見た時に、どうしてだか泣きたくなるものに出会うことがあります。悲しいのではないのです〉〈大きな山に登るようなもの〉〈見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる(徒然草)〉
……
骨董祭は8-10日です(金土日。ただし8日は内覧会)。冊子はいまのところ骨董祭の会場でしか配布しない予定です。よろしければぜひおはこびください。
http://www.kogei-seika.jp/seikafes/2018.html
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20180606
森岡督行さんのブログ「森岡書店日記」更新しました。今回は今年3月の日記。〈14時、凸版印刷にて社員向けのセミナーに登壇する。一冊の本を売る書店ができるまでのことを話す予定だったが、途中から、最近考えている、「東京大自然説」の話になる〉。こんどきいてみよう。写真も森岡さん撮影です。http://kogei-seika.jp/blog/morioka/031.html
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20180605
あらたな催事のお知らせです。……
■講座|能と私|友枝雄人+桐谷美香|「枕慈童」をめぐって
□7月3日(火)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=235
……
■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話35|ペルセウスの結婚と子孫
□7月5日(木)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=238
……
■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ38|スイスのロマネスク1
□7月19日(木)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=236
……
■講座|工芸と私22|井出幸亮+高木崇雄+菅野康晴|赤木的「民藝」と三谷的「生活工芸」
□7月21日(土)15時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=237
……
……
以下も引続き開催、募集しています。
……
■催事|骨董祭2018
□6月8−10日(金土日)@神楽坂6会場
http://www.kogei-seika.jp/seikafes/2018.html
……
■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ37|聖人伝4|殉教聖人1
□6月28日(木)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=233
……
■展覧会|骨董の起源
□6月28−30日・7月1日+5−8日+12−15日@工芸青花(神楽坂)
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180601.html
……
■講座|工芸と私21|松本武明+岩橋直哉+牛抱幾久真|骨董の起源
□6月29日(金)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=234
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20180604
近づいてきました。今週末から「青花の会|骨董祭2018」です(8−10日/金土日/神楽坂6会場/8日は青花会員ほかの内覧・販売会です)。http://www.kogei-seika.jp/seikafes/2018.html
……
出展者の方々による推奨品(主役、決め球的なもの)は以下で御覧いただけます(8−9日用と10日用の2点あります)。はやく実見したいものばかりです。
https://www.instagram.com/seika_fes/
https://www.facebook.com/seikafes/
https://twitter.com/seika_fes
……
工芸青花でも催事内企画として「骨董と私」展をおこないます(9−10日/神楽坂一水寮)。青花ゆかりの、骨董好きの方々の愛蔵品を展示販売します。出品者は、木村宗慎(茶人)、杉村理(骨董愛好家)、中村夏実(染織家)、藤田康城(舞台演出家)の各氏です。写真は出品作より、常滑山盃と金銅六器。お待ちしております。
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180501.html
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20180601
鳥古繰子さんのブログ「毛糸的世界」更新しました。〈編みものブームにより成熟してきた手編み糸の世界で、はっきりしてきたひとつの方向は「ローカル・メイド」のウールだ。アメリカなら、アメリカで育った羊の毛を国内で糸の状態まで加工する、しかも、ある程度広く流通する糸として。その傾向は、顔の見える生産者から素材を手に入れ、地元の産業を助け、持続可能なサイクルをめざすライフスタイルを推進する動きと、もちろん無関係ではない。フードマイレージならぬウールマイレージ。アメリカでその先陣を切ったひとりが、ジャレッド・フロッドだ〉http://www.kogei-seika.jp/blog/tricoquelicot/024.html
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