撮影=森岡督行
12月1日(金) 晴
11時30分、店舗で福川さんと待ち合わせて、近所のヨシモリで朗読の企画の相談をしながら唐揚げ定食をいただく。午後、クートラスのトークイベントに登壇をお願いしていた皆川明さんご来店。須山悠里さんと一緒に近所の喫茶店にて打ち合わせをし、会場の東京都中小企業会館に移動。急遽私も登壇することに。
12月2日(土) 晴
代々木駅で電車を待っていると、不意にメガネが落ちて粉々になる。そのうちの一辺が突如吹いた風に吹き飛ばされて、線路に落下する。それを拾おうか拾うまいか迷っていたら、向こうから電車が入ってきた。これは危ないので離れなければいけないと思う心に反して、足がホームに落ちていく。列車が入ってくる。逃げたい逃げたいと思うが、体が動かない。目がさめる。午後、杉本さんにインドの入国ビザを申請をしてもらう。
12月3日(日) 晴
店舗に行く前に松屋裏のスターバックスコーヒーにて『「生活工芸」の時代』をあらためて読む。1月28日に、「生活工芸の作家たち1 『ふつう』」展にあわせて行われる、編集者の井出幸亮さんとの対談をし、そこで改めて生活工芸美術館(仮)を提唱したいと思う。「生活工芸」は五感で感じるもので、器にかぎらず、服や靴、鞄、布、帽子、傘など生活で使う道具全般にあてはまる考え方だろうから、ともすけ食堂のようなレストランか、ホテルの形態の方が、もしかしたら「美術館」としてふさわしいのかもしれない。或いは、いまや「生活工芸」の展覧会は海を越えて世界各地で開催され、また受け入れられている。それは欧米に追いつき追い越せではなく、むしろ素直に求められているという現状がある。などを考える。
12月4日(月) 曇
午後、ギャラリーSUの山内彩子さんとクートラスの作品の搬出を行う。夕方、sunuiの富澤恭子さんと片平晴奈さんご来店。明日から始まるsunuiのカンカンバッチとシャンシャンバッチ展の搬入飾りつけを行う。
12月5日(火) 晴
午前、「京都36時間観光」のテキストを仕上げて送信する。午後からsunuiの根岸麻子さんと店番。お土産に麹町一元屋のきんつばをいただく。はじめて食べたが塩加減がちょうど良いと思う。
12月6日(水) 晴
サムライの斎藤さんと内野さんご来店。来月の佐藤可士和さんと谷川俊太郎さんの絵本『えじえじえじじえ』展の展示構成について打ち合わせを行なう。ソウルのテレビ局の取材を受ける。
12月7日(木) 晴
神保町の51%事務所にて、川島小鳥さんと写真展の開催が可能かどうかの相談をする。グリッチコーヒー&ロースターズにて加藤孝司さん三浦哲生さん濱田奈帆子さんと話をする。そのあと、パタゴニアで娘の誕生日プレゼントにダウンジャケットを購入する 。パープルを選ぶ。
12月8日(金) 曇
朝、犬の散歩をしながら、76年前の今日に真珠湾攻撃があったことを思う。15時、店内にて森住さんと経理の打ち合わせ。今年の決算が近づいていて、今後のお金の流れについて。19時、 丸ノ内線で新宿三丁目に移動して、らんぶるにてANA会員向け雑誌「アナログ」のインタビュー取材を行なう。そのあとエジンバラにてインドで行うスピーチ用の原稿を書く。
12月9日(土) 晴
午前、自宅にて原稿を書く。明後日からのインド出張の準備をする。途中、あろうことか、インド入国ビザが正式におりていないことが判明。急ぎ対応を杉本さんと協議。これから再申請しても到底間に合わないので、空港到着時のアライバルビザにきりかえる。調べるとアライバルビザはここ数年で日本人だけに許された特別なビザのようだ。
12月10日(日) 晴
sunuiのカンカンバッチとシャンシャンバッチ展最終日。岡山のガラス作家の石川昌浩さんがご来店くださる。カンカンバッチは完売で、搬出後に東急プラザのスペイン料理のレストランにて打ち上げを行う。明日本当にアライバルビザでインドに入国できるのだろうかという話題になる。
12月11日(月) 曇
成田空港で鍛金作家の長澤利久さんと待ち合わせて、インドのニューデリーへ。事前にビジネスクラスと聞いていたので、 迷うことなくビジネスクラスの搭乗口から入場するが、エコノミーと指摘され、退く。機内ではテトリスを3時間ほどやる。約10時間でニューデリー到着。アライバルビザをニューデリー空港の専門のカウンターで申告をする。すると予想以上に短時間で受理され、無事入国。タクシーで空港近くのホテル・アンダーズへ。店舗では猿山修さん企画の濱中史朗展 “alternative white”の搬入が行われているが、無事に飾り付けが完了したとのことで安心する。
12月12日(火) 曇
午前、明日英語で行うスピーチの練習をする。日本の美術と工芸について、資生堂ギャラリーで企画協力させていただいた「そばにいる工芸」と日本橋三越本店で企画協力させていただいた「東京アルチザン」の例をあげる。同行の杉本さんが英語の発音の先生をしているので助けてもらう。午後、明日スピーチを行う会場の視察。夕方、教育についての会議に参加。朝昼晩とアンダーズのカレーをいただく。
12月13日(水) 曇
私たちの出番の時間になってもなかなか前の会議がおわらない。インドでは進行が遅れることは当たり前なのだろうが、乗らなくてはならない飛行機の時間が迫ってきている。英語のスピーチの練習をしながら待って、ようやく2時間遅れでスピーチが始まる。私たちの発表が終わるなり、あらかじめフロントに預けていたスーツケースを持ち、即タクシーに乗り込み空港へ。渋滞なく、ギリギリで搭乗手続きを済ませることができる。日本へ約8時間。機内でゆっくり寝る。
12月14日(木) 曇
朝、成田空港到着。フルーツサンドが食べたくなり新宿駅西口の高野フルーツパーラーに立ち寄る。一旦自宅に帰宅し睡眠。夕方、神保町のテラススクエアへ。写真展「A Day in the Life by 石田真澄」のトークイベントに登壇。加藤孝司さんと一緒に石田さんのお話をお聞きする。終了後、住友商事の上野さんに挨拶をして、すぐに会場を出てタクシーで東京駅に。発車のベルが鳴るギリギリのタイミングで最終の山形新幹線に間に合い山形へ。とんがりビルで宮本さんと合流し「畏敬と工芸」の展覧会の搬入と飾りつけを行う。
12月15日(金) 曇
午前、山形和傘職人の古内清司さんのご自宅へ向かい、 和傘を即急に用意してくださったお礼を述べ、お支払いをする。18時、「畏敬と工芸」展のオープニングレセプショントークイベント。「背守り」が子供のからだに魔物が侵入するのを防ぐまじないであったなら、福島第一原子力発電所爆発事故後の放射能は、親にとって魔物であったに違いなく、その観点から、「背守り」を縫った人々の気持ちを理解できるのではないだろうかなどと述べる。終了後、研究員と一緒に居酒屋にて打ち上げを行う。みなさま半年間おつかれさまでした。
12月16日(土) 曇
朝の新幹線で東京へ。西麻布に移動し、桃居にて升たか陶展を拝見。広瀬さん升たかさんと「生活工芸」について意見を交換する。六本木まで歩き、AFURIでゆず塩ラーメンをいただく。
12月17日(日) 晴
銀座のポーラミュージアムアネックスにて「ケの美 あたりまえの中にある美」展を拝見。「毎日あたりまえに繰り返される日常生活の中における」美に着目し、それを展示するという企画。石村由起子さん、緒方慎一郎さん、塩川いづみさん、千宗屋さん、皆川明さん、横尾香央留さんたちが選者になっている。日常の生活を豊かにするという視線は、「美しい」のあり方が、おのずと複眼的になり、非常に興味を惹かれる。生活工芸美術館のことを考えながら、東屋にてお茶とお菓子をいただく。
12月18日(月) 晴
午前、猿山修さんと山本千夏さんがご来店し展示の搬出を行う。午後、松屋裏のスターバックスコーヒーにて11月の経費を集計。予想以上に経費が少ないことに安心し、風月堂でサンドイッチセットをいただく。17時から成田久さんの『CUEのププププレゼン力』展の搬入を、凸版印刷の八木さん山本さんと一緒に行なう。夏のオリエンテーションからコンペを経て、半年がかりの構想がかたちになる。
12月21日(木) 晴
19時から成田久さんと山本暁さんと自分とでトークイベントを開催。
12月22日(金) 晴
朝、家族で東京ディズニーシーへ。平日なので予想以上にすいている。マーメイドラグーン内で長女が迷子になりあちこち探す。1時間ほどで見つかり安心する。夜、九段下の成山画廊にて諏訪敦さんの「依り代」展を拝見。その後、馬喰町のアガタタケザワビルに新しくオープンするKiyoyuki Kuwabara Accounting Galleryのオープニングに参加する。
12月24日(日) 晴
成田久さんの似顔絵イベントが終わって店番をしていると、 ニューヨークから、ある雑誌を出版している家族がご来店くださる。成田さんの作品を気に入ってくださり、5点お買い上げくださる。これはサンタクロースに違いないと成田さんとその場にいたお客さんと喜びを分かち合う。
12月25日(月) 晴
午後、明大前の巌谷國士先生のご自宅に伺い、展示用の写真のセレクトを改めて行う。その後新宿三丁目の世界堂にて額装の予約をして銀座の店舗に向かう。
12月26日(火) 晴
アパレルブランドkohenのカタログ撮影のため菅家さんがご来店。撮影終了後に新宿三丁目に移動。紀伊國屋書店にて佐藤可士和さんの著作を求める。ランブルでコーヒーを飲みながら読む。
12月27日(水) 晴
新宿のドレスデンにてキュレーターのN氏に生活工芸美術館構想の相談をする。
12月28日(木) 晴
先日行なった成田久さんと山本暁さんとのトークイベントが好評だったため、急遽、本日28日17時から2回目のトークイベントを行う。終了後に家族がインフルエンザにかかったという知らせがあり、急遽、自宅に戻る。
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