葉におおわれた外観が印象的な広島のギャラリー「kantyukyo(閒中居)」主人、よこたよしかさんの作品展。 もと料理家で、kantyukyo では美術、工芸等の展示とともに茶菓、食事も供されていた。建物も独特だが、案内状も展示も料理も、だれにも、どこにも似ていない。たしかに謎めいてはいるが、決して奇抜ではない。今展は、長年、孤独のうちにさがしていた(苦しんでいたのかもしれない)よこたさんがみつけた「こたえ」だという。それは落葉だった。ある方法で落葉をひとつずつ克明に写しとる(かたどる)ことで、一枚一枚の、そして厖大な、記憶/物語が立ちあらわれる。*販売有
会期|A|2025年1月25日(土)−27日(月)*
B|2025年1月28日(火)−30日(木)*
C|2025年2月1日(土)−4日(火)
時間|12−18時
会場|青花室
東京都新宿区矢来町71 新潮社倉庫内(神楽坂)
*入場予約は以下より
A|青花会員のみ/事前予約+定員制
B|事前予約+定員制
よこたよしか YOKOTA Yoshika
1966年広島県生れ。幼い頃より自然界の営みにある儚さに興味を持つ。食べる行為にも同じ儚さがあると感じ、大阪、東京他で修行を重ねるが、自身の感覚と繋がるものはなく、約20年前、広島に kantyukyo を出店。自身の衣食住の考えのもとに、食事は予約制、一日一組。展示会は、案内状から展示期間、設営方法、作り手との交換など、「伝える」ことを見直す会として企画。長年「料理人」と言われることに苦しみ、それを言葉に出来ずにいたが、数年前、「料」という文字が落ちて「理」だけになった一皿に辿り着く。自分には「理」だけで充分だったことがわかり、自然界と食の儚さも繋がり、言葉に出来るようになる。現在は「理の皿」と表現し、それをどのように伝えていくか模索の中にいる。
今展によせて よこたよしか
私の中に終りが降りつもる。幼い頃から「食べる」という行為の意味を手探りで探す中、そのきっかけをくれたのは蟲のしわざに見る毎日の有り様だった。蟲といっても益虫、害虫という分け道は私には存在しないが、特に心奪われたのは落ち葉の重なりでおきていることだった。紅葉は終りの色を持つ。そのひと葉ひと葉には、子孫を遺す為の記憶と、その年の物語が宿っている。雨が降れば一層重なりは結びつき、色は落ち、形のあるものは形のないものに、名のあるものは名のないものに。「今」ではなく「い」と「ま」のあいだに時が流れている。この度の展示は「い」と「ま」のあいだで出会った終葉である。