撮影=森岡督行

1月3日(水) 晴

午後、家族と新宿ピカデリーで「スターウォーズ」を見て、地下の MUJIカフェで食事。そのあと、世界堂へ向かい、埃を払うゴム状のものを購入しようと思ったが、取り扱いがないということで、ビックカメラを訪ねてみる。係りの人が売り場を案内してくださり、無事に購入する。銀座の店舗にて、巌谷國士さんの写真の額装を行う。


1月4日(木) 晴

巖谷國士『澁澤龍彦論コレクション』(全五巻)刊行記念写真展・講演会がはじまる。午後、巖谷さんがお見えになり、開口一番「写真の展示の位置が違います」。慌てて展示の構成図を見ると、ちょうど左右反転して展示していた。急いで直す。三年ぶりに澁澤龍子さんとお会いする。 夜、店舗近所のウォーターローで会食。外はとても寒い。


1月9日(火) 晴

11時、4月以降の雇用形態と所得税消費税について相談を行う。午後、GINZA SIXの蔦屋書店にて三谷龍二さんの『木の匙』を購入し、コーヒーを飲みながらあらためて読む。松屋の裏のきつね庵でうどんをいただく。


1月10日(水) 晴

11時、渡邊幸太郎さんと外苑前のワタリウムへ。和多利恵津子さん和多利浩一さんと書店の役割について意見を交換する。そのあと、森住さんとスタバで4月からの雇用形態について相談。銀座線に乗車。店舗で今年のスケジュールの確認を行う。店舗近所のひねりやで雑炊をいただく。


1月11日(木) 晴

午後、巌谷先生がご来店し、本にサインを入れてくださる。22時、サムライの斎藤さんと内野さんご来店。展示作品の搬入。その後、佐藤可士和さんがご来店し、飾りつけを行う。


1月12日(金) 晴

午後、 ミッドタウンのスタバでリトルモアの福桜さんと面会し企画の打ち合わせを行う。17時、21_21 DESIGN SIGHTに移動し、4月に開催する企画展についての打ち合わせをおこなう。自宅で『木の匙』を読む。


1月13日(土) 晴

14時30分から佐藤可士和さんと鈴木ビル2階でトークイベントをおこなう。「凹んだ部分、マイナスの部分を埋めるのではなく、いいところを伸ばして突出させた方がいい」という佐藤可士和さんの言葉が印象にのこる。17時30分から寿司石島にて会食。21時に終了。東京駅に向かい最終の長野新幹線に乗って佐久平駅へ。御代田の皆川明さんのゲストハウスへ宿泊。


1月14日(日) 晴

朝、皆川さんのゲス トハウスに宿泊した遠山正道さん、上野正臣さん、濱田菜帆子さん、三浦哲生さん、今朝から合流した加藤孝司さんと近所の雑木林を散策する。雑木林の先に広がる山々を眺めたあと坂田亜希子さんがつくってくださったスープをいただく。午後の新幹線で東京駅へ。店舗に戻り夕方から店番。


1月16日(火) 晴

朝5時に寺尾さんと阿佐ケ谷駅に集合して東京駅へ。新幹線で熱海へ向かう。東急ハーベストホテルにて撮影。ホテルのラウンジで杉本博司さんの『苔のむすまで』を読む。撮影は午前中に終了し新幹線で東京駅に戻る。新丸ビルの Arts & Sience に立ち寄る。


1月17日(水) 雨

駅から傘をさして明治学院大学へ。構内で吉田知哉さん岡安圭子さんと合流し巌谷國士先生の最終講義に参加する。その後目黒駅のカレー店にて夕食会。


1月18日(木) 曇

13時、九段下の成山画廊で諏訪敦さんの作品を預かる。大きい作品なのでタクシーで銀座まで運ぶ。ルパンでハートランドを飲みつつ『工芸青花』9号に掲載予定の井出幸亮さんによる「民藝とヒップホップの間に」を読む。


1月19日(金) 曇

12時、中目黒のスマイルズにて今期の決算の確認。13時、同じくスマイルズにて日販の方々と書店企画の打ち合わせ。日比谷線で銀座に移動しメゾンエルメスにて「グリーンランド」中谷芙二子+宇吉郎展を見る。 雪の結晶の実験物理学者の父宇吉郎と、大阪万博ペプシ館で人口霧による「霧の彫刻」を発表した美術家の娘芙二子によるインスタレーション。霧に包まれて、外壁のガラスブロックから入る自然光がより強調される。


1月20日(土) 晴

日本橋ツアーを行う。ランチにインドカレーフジヤのカレーをいただき、食後にミカドコーヒーでコーヒーを飲む。三井本館脇でデニムブランド・ハスイケの石本夫妻と合流。自分はハスイケのパンツを愛用していてその撮影をしてもらう。貨幣博物館と近三ビルの外壁を見学し、室町砂場で卵焼きを食べつつ休憩。その後丸石ビルと尾張町倉庫を見学。岩本町から都営新宿線で初台に移動し、東京オペラシティアートギャラリーで谷川俊太郎展を見学。会場に「海ゆかば」が流れていて驚く。


1月21日(日) 晴

午後、谷川俊太郎さんのトークイベントを開催する。前半は『えじえじえじじえ』によせた言葉について質問し、「地球上に人間が生まれるまでは、世界に「名前」というものがなかったわけだから。意味的な日常に、ときどき風穴をあけたくなるんですね」という回答をいただく。後半は「世界の豊かさ」という観点から、質問をさせていただく。人間は、良い=悪い、明るい=暗い、美しい=醜い、といった二つで一つの認識をするように出来ているように思っているが、谷川俊太郎さんの詩から、後者を意識しつつも、より前者を見ていこう、という意図を感じ取ったことがあり、また佐藤可士和さんにも、短所を補うより、長所を伸ばしていこう、という考え方があると思う。そこで、「生きる」に関して、日常の世界にあふれる豊かさについて質問を行う。日本語に関しては、「詩を書いている人間にとっては、同じ言葉でも、漢字で書くのとひらがなで書くのとでは、まるで印象が変わるのは、日本語の豊かさだと思います。そのことを、子どもたちにも伝えたい」という話をしていただく。また昨日展覧会会場できいた「海ゆかば」に関しては「小学校6年生のころ、言葉より先に音楽に感動があった」という回答をいただく。


1月22日(月) 雪

大雪の影響で今日の予定がすべて無くなくなる。夜、中野のプールでストレッチをして泳ぐ。


1月23日(火) 晴

朝の新幹線にて名古屋駅へ。名古屋駅で中央本線に乗り換えて多治見のギャラリー百草へ。この日は書籍の撮影のため安藤雅信さんはギャラリーにはいないときいていたが、昨日の雪で撮影が中止になったということで、ある意味運良く、安藤雅信さんとお会いすることができる。生活工芸についての意見を交換しながら煎茶をいれていただく。手さばきを見入る。安藤さんが多治見駅まで車で送ってくださり、あまり見たことのない車種だと思っていたら、以前は坂田和實さんが乗っていた車だったとのこと。名古屋に戻りガラス作家の長野史子さんの展覧会を拝見し、夜の新幹線で帰宅。新幹線の中で安藤 雅信さん明子さんご夫妻の『美と暮らし』を読む。


1月24日(水) 晴

14時、銀座の資生堂ビルにて打ち合わせ。今年の shiseido art egg 賞の審査員を務めさせていただくことになった。その後、トリコロールで珈琲を飲みつつ井出さんの「民藝とヒップホップの間に」を読む。


1月25日(木) 晴

北鎌倉へ。東慶寺の参道前のギャラリー空でサカキトモコ展「SPECIES スペキエス」を拝見。麦わらと糸をつないだ麦わらの彫刻というべき作品。サカキさんの作品と先月山形で行った『畏敬と工芸』は共通する点があると思う。


1月27日(土) 晴

午前、羽田空港から2時間ほどで宮崎空港へ。宮崎は快晴で日差しが気持ちいい。宮崎駅へ。徒歩で山形屋の裏手にあるお店に行き名物のチキン南蛮をいただく 。宮崎市長選挙投票の前日ということで、山形屋の前で候補が演説を行っている。スタバの店内でその演説を聞きながら珈琲を飲む。宮崎市の課題や弱点を述べその是正を訴えていたが、先日の佐藤可士和さんの考えによれば、宮崎市の良い点をどんどん伸ばしていこう、という内容の演説になるだろう。18時に駅東のインタークロスにて小田切俊彦さんと合流し、現在の本屋について講演をさせていただく。お土産にきんかんを買い夜の便の飛行機で帰る。


1月28日(日) 曇

正午頃、浅草橋駅から歩いて、馬喰町の「組む東京」へ。その後、神楽坂へ。生活工芸のトークイベント。事前に井出さんと雑談のような打ち合わせをしてから会場へ。『工芸青花』編集長の菅野康晴さんがよせた文章「大事なのは、『生活工芸とはなにか』すなわち『生活工芸派の作品に通有する生活工芸的なるものはなにか』を考える(抽出する)ことです。それが概念化です」が、井出さんと私のトークの土台だろう。井出さんはすでに1万5000字からなる原稿を書ききっている。自分は生活工芸美術館の建設を提唱しているから呼んでくださったのだろう。生活工芸はいま狭義と広義の意味があるが、それはある限られた人にとって有効なのは確かなこと。会場には、三谷龍二さん、安藤雅信さん、辻和美さんというまさに生活工芸の作家がいらっしゃれば、その作品を長く紹介し続けてきた広瀬さんや山本さんもいらっしゃる。日常で工芸を使いながら自分が考えたことを述べるのが良いだろう。今回の展覧会のテーマに菅野さんが「ふつう 」をあげられている。おそらく菅野さんがいっている「ふつう」の文脈とは違うのだが、自分なりの「ふつう」を考えれば、ふつうのマンションやアパートに私たちの多くは住んでいる光景が浮かぶ。ふつうの建材の家に住んでいる。そしておそらくそれは経済の合理性が優先されたかたちであって、かならずしも、精神的というか何というか、こうあってほしいという気持ちが優先されたかたちではない場合が多いだろう。特に間取りや外観に関しては。少なくともそのような意味でふつうの住宅で生活している私は、可能なかぎり、その空間と時間を豊かにしたい。作家の器には独特の表情があり、またつかっていると作家の顔が思い浮かんでくることもあるし、何より生活工芸が並んでいる食事や空間自体が好ましい。自分なりに生活工芸を言うと、生活の空間と時間の質を変えてくれるもの、となるだろうか。生活工芸と民藝と伝統工芸との違いは、選択した人物の思想に結びついていることや、作家の有名性、産地に根付いていること、かたちがシンプルであることなどいくつあげることができるだろう。トークの中盤で安藤さんが発言してくださり、生活工芸は五感で感じるものだから、もし生活工芸美術館ができるのであれば食堂があるとふさわしい、という内容のことを述べてくださったのは示唆的だった。確かに全体を調和したい。最後の方、菅野さんと井出さんによる、非合理→合理的になったうつわを非合理的にする側面が生活工芸にある、という議論など、このテーマは話がつきない。三谷さんが著書のなかで書いていた「ちょっと立ち止まる時間を持つ」や「気楽でゆるい感じも、大切だと思う」につながる観点だろう。二次会の飲み会でも意見を深めたかったが、明朝、絶対に遅刻してはいけないフライトがあるので帰宅する。


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森岡督行 yoshiyuki morioka

「森岡書店」主人。1974年山形県生れ。著書に『BOOKS ON JAPAN 1931-1972 日本の対外宣伝グラフ誌』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『写真集 誰かに贈りたくなる108冊』(平凡社)、『荒野の古本屋』(晶文社)、『東京旧市街地を歩く』(エクスナレッジ)など。「青花の会」編集委員。
facebook:yoshiyuki.morioka.7


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